未曾有の原発事故から15年。東京電力が廃炉の完了を目指す2051年まで残り四半世紀となった。福島第一原発で働く遠藤寛太さんは4年前に東京電力に入社し廃炉作業に携わっている。福島第一原発では除染などで放射線量が下がり敷地内の96%で防護服を着ないで作業ができるようになっている。しかし作業員の被ばくや汚染の拡大のリスクは今も残っておりそれを未然に防ぐのが遠藤さんの仕事。遠藤さんは福島県広野町出身、生まれ育った町を地震と津波が襲った時遠藤さんは小学1年生だった。遠藤さんは小学校に避難したが、9mに達した津波は小学校の近くまで押し寄せたという。その後原発事故が起き、広野町の全ての町民に避難指示が発令されると親戚の住む埼玉県に避難した。高校を卒業するまで埼玉県に住み続け、広野町より避難先で暮らした時間の方が長くなった。それでも東京電力に就職し福島に戻ることを選んだわけを遠藤さんは、途切れなかった地元とのつながりにあった。父親が県道をやっていて広野町の県道クラブで色んな大会などに連れて行ってもらったり、行く度に温かく迎え入れてくれたり親切にしてもらって恩返しをしたいという思いで入社しようと思ったと話した。入社後に携わることになった廃炉作業の最大の障壁となっているのは燃料デブリの取り出し。燃料デブリは880トンあるとされているが、これまでに回収されたのは試験的に取り出された0.9グラムのみ。先行きが不透明な中、遠藤さんは廃炉を少しでも進めることで地元に貢献することを選んだ。
