激痛の原因は大腿骨に軟骨がないことで、軟骨がない状態で大腿骨と骨盤の骨が直接ぶつかり痛みが発生する。8月時点では軟骨はわずかに残っていたが9月には完全に消えた。背景には寛骨臼形成不全で、大腿骨を支える骨盤側の骨のくぼみが小さいのが特徴。狭い面積で骨を支えるので軟骨がすり減る。一方、くぼみが小さいので大腿骨の動きを阻むものがなく股関節の可動域が広くなる。医師は「スポーツ選手には有利な骨格と言われている」と話した。
長嶋一茂が受けた人工関節置換術は足の付根の外側にメスを入れ電動のこぎりを使い大腿骨の先端の骨頭を切除し骨盤のくぼみを広げ骨盤にカップをはめ込み大腿骨側の土台となるチタンの軸を埋めボールを装着しカップにボールをはめ込む。手術ではトラブルが発生しその1は電動のこぎりがオーバーヒートし新品の刃が欠けた。理由は骨が硬すぎたから。その2は大腿骨にチタンの軸を打ち込むが骨が硬すぎてなかなか入らなかった。その3は人工関節がはまらない。手術時間は通常40分だが1時間6分かかった。医師は「長嶋一茂は筋肉が大きくて骨が硬く予想外のことも起こり大変な手術だった」と話した。
医師の手術の特徴は切開する部分が小さいので手術からの回復が早い。通常普通に歩けることと階段を自力で上がれることが退院の目安で10日～2週間で退院できる。長嶋一茂は手術前病室からモーニングショーに生出演したいと言っていたが看護師が止めた。長嶋一茂は手術翌日に歩行器無しで歩き翌々日には普通に歩き3日で退院した。
日本股関節学会によると、一般に年齢が上がれば変形性股関節症などの発症リスクは上がると考えられる。変形性股関節症とは股関節の軟骨がすり減り関節に炎症が起きる疾患で、悪化すれば股関節が変形する。潜在的な患者は約1500万人。変形性股関節症になりやすい人は激しいスポーツをしている人など。腰や太ももひざの痛みの原因が股関節にあることもある。変形性股関節症のサインについて医師は「患者から階段の上り下りで痛み和式トイレにしゃがめなくなったなどの声があがる」と話した。悪化を抑える方法は重いものを持ち運ぶ作業をできるだけ避けることや靴はかかとに弾力性のあるものを選ぶなど。また、ストレッチもあり床に座り片足を曲げもう片足は横に伸ばす。背筋を伸ばし曲げた足に腹をつけるように上半身を前に倒す。1回10秒間10回程度繰り返す。さらに、健康ゆすりもあり足の裏が床につくように椅子に座り片足のつま先を床につけたままかかとを小刻みに上下に揺らす。手術には骨切り術や股関節鏡視下手術や人工関節置換術がある。