外務省は外交文書を公開し、1992年当時天皇皇后両陛下の初めての中国訪問を巡り、宮沢総理大臣が最終決断を前に揺らいでいた様子が明らかになった。公開された文書によると、両陛下の中国訪問について政府内で議論が進む中、事務方が「総理がぐらぐらし始めているらしい」と報告したのに対し、当時の渡辺美智雄外務大臣は「宮沢はいざとなると度胸がない」などと記録されていたという。当時の宮沢総理大臣は自民党内の慎重論を懸念し、中国大使らに対し自分が責任を取るとして自民党議員への根回しを指示していた。その後も調整が続けられ、両陛下の中国訪問は日中国交正常化から20周年の1992年10月に実現した。