ニューヨークから大和証券CMアメリカ・高橋諒至の解説。アルファベット傘下のグーグルでAI人材の流出が続き、市場の関心が集まっている。グーグルのAI研究組織・ディープマインドから有力研究者がオープンAIやアンソロピック、自ら立ち上げたAIスタートアップに移る事例が続いている。創業期からのメンバーであるジェフ・ディーン氏の退社やノーベル賞受賞経験を持つジョン・ジャンパー氏のアンソロピック移籍などが市場でも話題となった。人材流出の最大の理由は新興企業の方が自由度が高い研究開発ができること。起業して成功すれば一気にビリオネアになれる可能性があり、実際「ディープマインド」出身者が設立したフランスのミストラルAIやパープレキシティが創業から短期間で巨額の企業価値を獲得している。特にジェフ・ディーン氏の退職が発表された8月5日以降に株価は下落基調が強まっており、短期的にはやや警戒が必要。グーグルは世界最大級のAI研究組織を持つ一方で、最先端AIをめぐる競争ではオープンAIやアンソロピックに遅れを取っているとの見方がある。有力研究者の流出が続くと市場はネガティブに反応しやすい状況。グーグルはこれまでも退職者が創業した企業と良好な関係を築くケースが多く、AI分野では出身者ネットワークを通じた連携が期待できる。グーグルAI「ジェミニ」の月間アクティブユーザーが10億人を突破し、クラウド事業もAI需要を背景に成長が加速している。投資家としては人材流出を注視しつつも、それ以上にジェミニやクラウド事業の進展を確認しておくのが重要と考えている。
