ことし4月、伊豆諸島の鳥島の沖合で大村航空基地所属の隊員らを乗せた海上自衛隊の哨戒ヘリコプター2機が、潜水艦を探知する訓練の最中に衝突して墜落し、乗っていた8人の隊員が死亡した。海上自衛隊がきょう公表した調査報告書によると、2機は当時それぞれ異なる指揮官の指示を受けながら、別々の場所を飛行していたが潜水艦が探知されたという情報を基に同じ目標地点に向かったという。そして、ほぼ直進していた1機の前方部分と旋回していた、もう一機の左側部分が衝突したと推定していて、それぞれ機内での見張りが不適切だったとしている。また2機が目標地点に向かう際に指揮官どうしの間で情報共有が十分に行われないなど連携が不足し、衝突を防ぐため別々の高度で飛行させるなどの指示もなかったとして高度の管理が不十分だったと結論づけている。そのうえで搭乗員による見張りを徹底し、複数の機体が同じ空域で活動する場合は指揮官による高度の管理を厳格に行うことで再発防止を図るとしている。