去年12月、鹿島市民文化ホールで行われたトークショーに約130人が集まった。ゲストの大橋さんは生い立ちやこれまでの活動について話した。生まれたときから耳が聴こえない大橋さん。幼い頃は手話での教育がほとんど行われておらず、口の動きを見て話の内容を読み取る口話でコミュニケーションを学んだ。高校卒業後、就職した職場にいた耳の聞こえない同僚に話しかけた時、言いたいことが伝わらずショックを受ける。そこから手話を覚えようと思ったという。その後、聴覚に障害のある先輩に誘われて、アマチュア劇団に通うようになる。日本で初めて耳の聞こえない俳優が、聴こえない主役を演じるなど、これまでの功績が認められ今回のデフリンピックの演出家として声がかかった。デフリンピックの稽古中、大橋さんは参加者に「わからないことはすぐに聞いて欲しい」と伝えた。その結果、本番は障害のある人とない人が目を合わせて踊る息のあったパフォーマンスが披露された。出演した参加者から貰った言葉が心に残っているという。「安心できる場所、ここに来られてうれしかった」という声をもらい一番の褒め言葉だったという。この日行われたワークショップのテーマは、気持ちを表情や身振りだけで伝えること。続いて行われた伝言ゲームでは、顔の表情のみで行われた。障害のある人とない人の間にある壁を低くするには、相手を知ろうとする気持ちが大切だという。
