阪神淡路大震災発生から来年で30年。神戸市出身でフリーアナウンサーの三条杜夫は77歳。現在もコミュニティーFMのラジオ局で活動している。去年11月三条は自宅の仕事部屋で探し物をしていたところ偶然3本のカセットテープを見つけた。それは阪神淡路大震災発生から約1か月後の記録だった。震災当時は神戸市にあるラジオ局でリポーターを務めていた三条は、発生直後から自ら被災地を歩き惨状や課題などをリポートしてきた。中でも印象に残っているのが震災直後大規模な火災に見舞われた大正筋商店街。街が死んだと思ったとのことで、取材をためらったこともあったが、今回見つかった録音テープに収められていた被災者の声を次の世代に伝えていくことが重要な役割ではないかと考えた。そして映像制作の仕事をする長男の協力も得てテープをCD化した。現在は震災発生から30年になる来年に向けて記録映画の制作も進めている。