今や全国区となっている「揚げパン」も、東京都大田区が発祥の地と言われている。戦後の復興期に学校を休んだ子どもにも届けたいと、コッペパンを油で揚げ砂糖をまぶすことで硬くならずに食べてもらうためだったという。大田区で「たこぺったん」が生まれたのは1995年ごろで、生みの親は当時区立中学の栄養士だった尾形文子さん。ある生徒から給食に「たこ焼き」をリクエストされ、頭を抱えたところから始まったという。学校給食は短時間で数百人分を作る必要があり、厳しい衛生基準や加熱温度管理のルールをクリアする調理法として「潰して揚げる」たこ焼き=たこぺったんが誕生した。しかも学校給食らしく5大経要素が全て含まれ、栄養満点だった。生みの親である尾形は現場を退き、いつしかその存在さえ忘れていたという。しかし誕生から15年、大田区の新成人を対象に行われた「今食べたい思い出の給食ランキング」で、たこぺったんは堂々の1位に輝いた。大田区内に広まったのは、栄養士たちが定期的に集まり行っていたメニューの検討会だったという。
