大谷翔平が出場する予定だったニューヨークでの試合は雨で延期となったが、所属するドジャースはかつてニューヨークのチームだった。ニューヨーク市公認の歴史家・ロン・シュワイガーさんは、自宅の地下室に貴重な資料を保管している。飾られているのは、ロサンゼルスドジャースの前身・ブルックリン・ドジャースのコレクション。ニューヨーク市のブルックリン地区は文化の発信地として知られ、おしゃれな街として観光客にも人気のエリア。大谷が所属するドジャースは1883年、ブルックリンを本拠地とするチームとして誕生した。チーム名のドジャースは「よける人たち」という意味だが、これも当時ブルックリンで見られた光景にちなんでいる。ブルックリンドジャースは、黒人初のメジャーリーガー・ジャッキー・ロビンソンが所属したチームでもあり、ニューヨーカーの誇りでもあった。しかし1957年、球場の老朽化がきっかけとなり、およそ4000kmも離れたロサンゼルスに突然移転してしまった。ドジャースの移転から67年。当時を知る人が減る中でスーパースターの大谷が加入。ブルックリン・ドジャースの存在にも再び光が当たっている。ブルックリン・ドジャースの球場があった場所には今、大きなマンションが建っている。ロンさんは「ここで見た憧れの選手のプレーは素晴らしい思い出です、ドジャースは移転したのではなく旅に出たと思っています」と述べた。