横田慎太郎さんは、2013年、ドラフト2位で阪神に入団。当時スカウトとして横田さんを発掘した田中さんは、バッティングが一番の魅力、スケールの大きい選手になってほしいなどと話していた。プロ3年目、初めて1軍キャンプに参加。当時の金本監督は、足も速く、肩も強い、飛ばす力もあって、楽しみな選手だと期待していたという。横田さんは、オープン戦に連日スタメンで出場し、ヒットを量産。オープン戦でセ・リーグトップの打率を記録。2プロ3年目、開幕スタメンを掴み取り、盗塁を成功させた。翌日には、プロ初ヒットをマーク。翌年の2017年、1軍キャンプ中、横田さんは目などに異変を感じ、キャンプを離脱。脳腫瘍と診断された。18時間の手術を受け、一命はとりとめたが、闘病生活は過酷だった。髪の毛が抜け、食事ができず、体重が13キロほど減ったという。横田さんの指導役だった北條さんは、最初は、手術したら戻ってこれると思っていたが、お見舞いに行って、髪の毛が抜け、痩せた姿を見たら、野球どころじゃないと思ったなどと話した。半年間の入院後、横田さんはリハビリを開始。手術翌年には、キャッチボールなどができるまでに体力は回復したが、後遺症で視力が戻らず、フライも捕れなくなった。2019年、横田さんは、今季限りの引退を発表。その会見の4日後、横田さんは、現役最後の試合に臨んだ。
