万博を巡っては、膨れ上がる費用も問題になってきた。当初は1250億円だった会場建設費が、2020年1850億円に、2023年には更に500億円増え、当初の計画の2倍近く、2350億円に膨れ上がった。夢洲には今後もばく大な公費が投入される予定がある。万博会場のすぐ隣に広大な土地は、カジノなどのIRの準備工事が行われている現場。大阪府と市が2030年秋ごろの開業を目指すIR=カジノを含む統合型リゾート施設。そもそも夢洲は、IRが先に計画されており当初、万博の候補地ではなかった。ところが2016年、突如夢洲が万博の候補地に浮上。大阪府・松井一郎知事(当時)は「やれる場所があるから。更地がある」と述べた。万博とIRの問題を追及している市民団体・おおさか市民ネットワーク・藤永延代代表は「IRのための万博。インフラ整備を国のお金を引っ張り出してやらせるための口実」と指摘。夢洲の開発を担当する大阪港湾局は「万博とIRは全く別のプロジェクト」としているが、多額の公費をかけ整備した道路や鉄道などのインフラはIR開業後も使われる。IRの土地を巡っても既に大阪市が土壌対策費として788億円を負担することが決まっている。夢洲の事業について、2045年までにかかる約1500億円は回収が見込まれる投資額としている。投資額は今後、IR事業者から支払われる土地の賃料などで回収するというが、その賃料が安すぎると問題視されている。月額賃料は1平米当たり428円。1平米当たり12万円という土地価格を元に算定。藤永代表らは賃料が安すぎるとして、IR事業者への土地の引き渡し差し止めなどを求める住民訴訟を起こしている。独自に不動産鑑定士に依頼したところ、1平米あたり26万円と倍以上だったという。