2025年4月12日放送 17:30 - 18:50 TBS

報道特集
「不安の中で大阪・関西万博開幕へ」「自閉症の子どもたちのために」

出演者
伊藤隆佑 村瀬健介 國本未華 日下部正樹 山本恵里伽 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

ニュースラインナップ

今日の特集とニュースのラインアップを紹介。

(ニュース)
中国 対米追加関税125%きょう発動

中国政府はアメリカの相互関税が「国際経済貿易のルール」に違反しているとして、アメリカからの全ての輸入品に対する関税を今日から125%に引き上げる。アメリカは現在、中国に中国に145%の追加関税を課しているが、中国政府は今後更に引き上げられた場合でも相手にしないとして引き上げを行わないことを示唆している。ただ別の手段での報復については排除しない姿勢を示している。習近平国家主席は11日、中国・北京でスペインの首相と会談した際に「関税戦争に勝者はなく、世界に対抗することは自らを孤立させるだけだ」とアメリカの関税措置を批判した。その上で「いかなる理不尽な抑圧も恐れない」と徹底抗戦する構えを見せた。アメリカ・トランプ政権が相互関税を発表してから関税を巡る習主席の発言が報道されるのは初めて。一方、トランプ大統領は11日、習主席について「とても良い、とても賢い指導者だ」と持ち上げ、中国との対話に前向きな姿勢を改めて示した格好。一方、各国との交渉については関税の全面撤廃には応じない考えを示した。トランプ大統領は「(10%の関税が下限か?)今のところ10%が下限と言えるかな」と語った。発言には、ほぼ全ての国に一律で課している10%の相互関税が念頭にあるとみられる。トランプ関税を巡っては日本企業にも影響が出ている。アメリカが輸入する全ての自動車に対して25%の関税が課されたことを受け、三菱自動車がアメリカの販売店に対して新車の供給を当面停止することが分かった。現地の広報担当者は11日、「関税や次の決定の詳細が分かるまでアメリカの港で車の輸送を止めている」と明らかにした。販売店には十分な在庫があり顧客に影響はないとしているが、トランプ大統領の今後の政策次第で新たな対応を迫られる可能性がある。

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大阪・関西万博の開会式

大阪・関西万博が明日開幕するのを前に開会式が大阪・夢洲の会場で行われた。博に参加する各国の国旗が紹介され、歌舞伎俳優・尾上菊之助さんや歌手・Awichさんらによる日本の今と昔の祭りを表現するパフォーマンスが披露された。天皇皇后両陛下も式典に出席。万博の名誉総裁を務める秋篠宮さまが透明のパネルに手を合わせられると、新しい学校のリーダーズが登場し、開会式を盛り上げた。ただ万博に対する懸念は払拭されたとはいえない。前売り券の販売総数はおよそ1100万枚の見通しで目標には届かない見込み。海外パビリオンについてもインドやネパールなど13の国が昨日時点で使用許可を得てない。期待と課題を抱えながら、万博は明日から10月13日まで半年間、開催される。

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両陛下 万博パビリオン訪問

開会式に出席した天皇皇后両陛下は、パビリオンの1つ、国際赤十字・赤新月運動館を訪問された。ここでは、被災地や紛争地域で人道支援を行う赤十字の活動を紹介していて、これまでに訪れた人が感想を書いたメッセージボードを両陛下が鑑賞された。陛下は「何かできることを探したい」というメッセージを見て、「よいメッセージがある」とにこやかに話された。両陛下は夜には帰京される。

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関税めぐる交渉に「とても楽観的」

アメリカのグラス次期駐日大使が日本への出発を前に、アメリカ・ワシントンの日本大使館が主催した会合で挨拶し、関税を巡る日米交渉を念頭に「経済面ではこの先、数週間で協議をしなくてはいけないが、準備は整っているしとても楽観的だ」と話した。大使として日米のさらなる関係強化に取り組む決意を示すとともに妻・メアリーさんとともに日本全国のあらゆるところを見て回りたいとも話した。そして「最も重要なのは友情だ」と強調し、トランプ大統領からは「関係を壊すなよ」と言われたと明かして会場の笑いを誘っていた。グラス次期駐日大使は来週にも日本に向かう見通し。

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就任後初の健康診断

アメリカ・トランプ大統領が就任後初めて健康診断を受けた。認知能力検査も受けたとしている。トランプ大統領は11日、ワシントン郊外の病院で健康診断を受けたあとで「バイデン(前大統領)とは少し違い。認知能力検査を受けた。全ての回答が正解だった」と話した。結果は、近く公表されるとしている。トランプ大統領は就任時の年齢が78歳7か月と歴代の大統領の中で最も高齢だが、連日記者団の前で長時間質問に答えたり、週末には頻繁にゴルフをしたりしていて健康面での不安は見せていない。

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山本由伸 完璧なピッチングで2勝目

ドジャースとカブスが東京開幕シリーズ以来の対戦。ドジャース3−0カブス。ドジャース・山本由伸投手が6回を投げ、9奪三振、無失点。完璧なピッチングを見せ、今シーズン2勝目をあげた。大谷翔平はノーヒット。開幕連続出塁記録も14でストップ。

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(告知)
太陽の運命

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太陽の運命
(気象情報)
気象情報

全国の天気予報を伝えた。

(特集)
万博後…カジノにも膨大な公費

あすに開幕を控えた大阪・関西万博。直前に爆発の可能性がある濃度のメタンガスが検知されるなど不安が広がっている。万博会場の隣で並行して工事が行われているのがカジノを含むIR。IRにも莫大な公費がつぎ込まれることが分かった。開幕まで4日に迫った今週水曜日、万博会場が報道陣に公開され、約4500人のメディア関係者が集まった。去年6月、木造建築・大屋根リングの内側にはクレーンが林立し、工事が進められていたが、その代わりにパビリオンが立ち並び、エスカレーターも設置されていた。150以上の国や地域が参加。各国の文化や歴史など世界を知ることができるのが万博の醍醐味。一方、ウクライナの展示ブースや今月4日に火災が発生したブラジルのパビリオンはオープンしていなかった。インドパビリオンの担当者は「100%間に合う」とコメント。他のパビリオンでは、夜間も昼間とは別の建設業者が働いている実態がある。さらに指摘されてきたあの問題は。

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再浮上したメタンガス問題

今月6日、実際に客を入れたリハーサル「テストラン」が行われる中、あの問題がまた浮上。今月6日、爆発の可能性がある濃度のメタンガスが検知された。現場はリングの外にあるトイレの周辺。このトイレでは、去年3月工事中に火花がメタンガスに引火し爆発する事故が起きた。メタンガスが検知されたトイレの周りでは、いくつものマンホールで蓋が開けられ換気が続けられていた。火気を使わないように注意するような看板などはないどころか、キッチンカーがあり、調理器具も並んでいる。これで対策が十分なのかどうか少し不安になるような状況。2025年日本国際博覧会協会・高科淳副事務総長は「基本的にメタンは拡散するとまったく危険性はない」と強調。そもそも夢洲は、1977年から埋め立て事業が始まった人工の島。4つの区画のうち、1区と呼ばれるエリアは大阪市の廃棄物処分場として利用されてきた。「報道特集」が入手した内部資料。夢洲で発生するガスを調査したもので、1区にはガス抜き管が去年12月の時点で80本以上設置されている。ゲートの外側、入場客が並ぶエリアにあるガス抜き管には測定用の小さな穴が開いていて、ふだんはテープで塞がれている。元消防士・寺本守口市議がこの穴にガス検知器を差し込むと、爆発する可能性がある濃度のメタンガスを検知したという。内部資料には、去年12月16日に夢洲1区で3t近くのメタンガスが測定されたと記されている。さらにメタン濃度が10%を超えたガス抜き管の数は去年7月は8本だったが、去年12月は14本だった。

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大阪府は遠足など学校行事の一環として、子どもたちを万博に無料で招待している。大阪・豊中市に再検討を求める署名を2万7000筆以上集め、提出した保護者らに聞いた。訴えに対する市の反応にも不信感を抱いている。もともと廃棄物処分場としてできた土地。専門家は、「施設を建てることを前提に埋め立てられた場所とは違う特徴がある」と話す。芝浦工業大学(地盤工学)・稲積真哉教授は「廃棄物を埋め立てる。日々入ってくる廃棄物の品質は当然異なってくる。どこでメタンガスが、どのくらいの濃度で出るのか定かではない。予測するのは非常に難しい。閉鎖された空間で問題ないという保証は何一つない」と述べた。だが万博協会の副会長でもある大阪府・吉村洋文知事は、万博開催に影響はないという考えを改めて示した。

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膨らむ公費負担 万博後も…

万博を巡っては、膨れ上がる費用も問題になってきた。当初は1250億円だった会場建設費が、2020年1850億円に、2023年には更に500億円増え、当初の計画の2倍近く、2350億円に膨れ上がった。夢洲には今後もばく大な公費が投入される予定がある。万博会場のすぐ隣に広大な土地は、カジノなどのIRの準備工事が行われている現場。大阪府と市が2030年秋ごろの開業を目指すIR=カジノを含む統合型リゾート施設。そもそも夢洲は、IRが先に計画されており当初、万博の候補地ではなかった。ところが2016年、突如夢洲が万博の候補地に浮上。大阪府・松井一郎知事(当時)は「やれる場所があるから。更地がある」と述べた。万博とIRの問題を追及している市民団体・おおさか市民ネットワーク・藤永延代代表は「IRのための万博。インフラ整備を国のお金を引っ張り出してやらせるための口実」と指摘。夢洲の開発を担当する大阪港湾局は「万博とIRは全く別のプロジェクト」としているが、多額の公費をかけ整備した道路や鉄道などのインフラはIR開業後も使われる。IRの土地を巡っても既に大阪市が土壌対策費として788億円を負担することが決まっている。夢洲の事業について、2045年までにかかる約1500億円は回収が見込まれる投資額としている。投資額は今後、IR事業者から支払われる土地の賃料などで回収するというが、その賃料が安すぎると問題視されている。月額賃料は1平米当たり428円。1平米当たり12万円という土地価格を元に算定。藤永代表らは賃料が安すぎるとして、IR事業者への土地の引き渡し差し止めなどを求める住民訴訟を起こしている。独自に不動産鑑定士に依頼したところ、1平米あたり26万円と倍以上だったという。

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カジノ・IR不可解な土地鑑定

R用地の土地はなぜ1平米当たり12万円と算定されたのか。価格は大阪市が依頼した不動産鑑定をもとに決められている。住民側が情報公開請求で入手した大阪港湾局と鑑定業者の間で交わされたメール。鑑定結果が出る前だが、既に参考価格12万円との記載がやり取りされていた。すると鑑定業者4社が鑑定した土地価格は、3社がいずれも12万円でピタリと一致。他1社もそれを下回る11万8000円という結果になった。4社ともIR計画のための鑑定にもかかわらず、IR事業を考慮外として評価。これについて大阪港湾局の担当者は「たまたまというか、ピッタリ一致していると考えている」と述べた。更に、この4社は、最寄り駅をIR用地の目の前の夢洲駅とせず、海を挟んだコスモスクエア駅としていた。こうした結果を鑑定士歴44年の不動産鑑定士に見てもらった。不動産鑑定士・芳賀則人氏は「新駅ができることを抜きにしたのは、不自然だなという印象。3社がピッタリ一致は非常にまれなケース」と語った。市民側は、市が設定した参考価格ありきで鑑定業者を不当に誘導したのではないかと主張。大阪港湾局は番組の取材に対し「不動産鑑定士の専門的知見に基づき、各々の責任において作成されたもの。本市が各不動産鑑定業者に対して不当な誘導や支持を行ったという事実はない」、IR事業や夢洲駅を考慮外としたことについては「(鑑定評価時には)日本国内でIR施設は存在せず、IR事業を前提とした鑑定は行い得なかった。夢洲駅の開業工事は、許可を受けてはいなかったことから、市が事業の実現性を担保することができず、想定上の条件としても考慮し得なかった」と回答。

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メタンガス対策 保護者の不安は

万博会場でのメタンガスの対策について、村瀬健介は本当に大丈夫なのかと不安を表明。万博とIR事業の関連性について、日下部正樹は非常に不透明だと述べた。

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自閉症の療育に生涯を捧げた医師

自閉症の子供たちが将来、自立できるように促す「療育」に生涯をささげた医師がいる。今年2月、83歳で亡くなった河島淳子医師。画家やアスリートも育んだその方法が注目されている。自閉症の療育をテーマにした映画が全国で上映されている。モデルになった河島医師は自閉症に対して独自の療育を考案。映画ではその療育法で自閉症の画家・石村嘉成さんを育んだことが描かれている。河島医師は、2月に83歳で急逝。教え子の石村さんが舞台挨拶で追悼した。トモニ療育センターは、河島医師が約30年前に設立して以来、全国から800人余りの自閉症をはじめとする発達障害の子と親が訪れている。自閉症は、脳の機能障害と考えられ、自閉症特有の学びにくさがあるため、言葉や知的発達、運動機能の遅れなどにつながりやすい。教えることを諦めると社会性が身につかないおそれがある。河島医師は言葉や運動を教え、障害による生きづらさを解消しようと考えた。まず学ぶ姿勢を身につけることから始める。河島医師独自の療育は、自らも自閉症の子を育てた経験に基づいている。3人目の息子は重い自閉症。河島医師は息子の運動機能を伸ばそうと2人で山を歩き、言葉や数の概念は手作りの教材で教えた。その経験を生かした教材を、改良を加えながら今も使っている。社会生活に最も必要なのは数の概念だという。重度の障害があっても適切な療育ができればやがて大きく花開く。

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トモニ療育センター岡山大学新居浜市(愛媛)松山市(愛媛)檀ふみ笠岡市(岡山)青いライオン

河島医師の療育で画家として花開いたのが、愛媛・新居浜市に住む石村嘉成さん。幼いころから大好きな動物を鮮やかな色彩で描く。自閉症にはコミュニケーションがとりづらい特性があるが、嘉成さんはやり取りを楽しんでいる。父親は、嘉成さんは決して軽度の自閉症ではないと言う。28年前、嘉成さんが初めてトモニ療育センターを訪れたときの映像を紹介。河島医師の療育を忠実に実践した母親の献身的な努力があった。しかし療育の成果を感じ始めた矢先、母親は病で他界。嘉成さんが11歳のときだった。その後、父親が療育を受け継ぐことができたのは、母親が残した膨大なリポートがあったからだ。嘉成さんの粘り強さや集中力は、母親が亡くなったあとも消えなかった。その力が画家としての成功を手繰り寄せた。河島医師の養育は、パラアスリートも生んでいる。

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トモニ療育センター中津万象園・丸亀美術館新居浜市(愛媛)石村有希子
アスリートになった女性 転機の瞬間

河島淳子医師の教え子にはパラアスリートもいる。山本萌恵子さんは、パラリンピックにはリオ、東京、パリ大会に出場。リオと東京では7位だった。萌恵子さんは幼いころ人前で全くしゃべろうとしない一方で、家族の前では意に沿わないことがあると泣いて、手がつけられなかった。萌恵子さんが中学1年生のとき、知人の紹介でトモニ療育センターを訪れた。河島医師の療育は、時に厳し過ぎる、虐待ではないかと批判を受けることもあった。しかし母親は「全部違う。達成感とか自己肯定感とか、それを得るもの。そこは絶対に河島先生ならではの指導」と語った。

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自閉症の療育 受け継がれる信念

障害があっても学びたい、伸びていきたいという気持ちは必ずある。河島淳子医師は、それを信じて諦めないかぎり希望があるという。教え子の1人、石村嘉成さんの療育を描く映画「新居浜ひかり物語 青いライオン」が公開され、河島医師の療育が注目される中、河島医師は急逝した。生前、嘉成さんの活躍や映画化について、本当に大きな希望になると話していた。河島医師の信念は受け継がれている。初めは静かに座っていられなかった男児も、4か月後には漢字を学習できるようになった。母親は「社会の中で生きていける子になるように頑張って育てていきたい」と語った。

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