2月も今日で最終日だが3月、値上げされる食品が2000品目を超えることが民間の調査会社のまとめで分かった。止まらない物価の上昇に我慢の限界を迎えた店舗もある。創業63年目を迎えた山形・鶴岡市の弁当店。価格高騰の影響を受け来月にも廃業することを決めた。個人の客に向けて提供する最後の日。弁当店経営・本間英敏社長は「今日で終わりということで皆さんに大変申し訳なく思っている」と語った。引き金となったのは去年11月、コメの仕入れ値が前の年に比べて約1.4倍に上昇したことだった。これまで日替わり弁当を400円台からの割安価格で販売してきたため、大幅な値上げに踏み切ることができず廃業を決めた。最終日の今日、クッキーを渡しながら客への感謝の気持ちを伝える。本間社長は「仕事をしたけど給料がもらえない。それだけは絶対いやだなと思って。その可能性が少しでもあったら廃業」と語った。今日、発表された東京23区の今月の消費者物価指数の速報値。全国の先行指標として注目されている。この中で米類は77.5%の上昇となり上昇率は5か月連続で過去最大を更新した。食品の値上げが続く中、利益を減らしながら営業を続ける飲食店もある。ふわふわとした食感が人気のだし巻き卵の定食を提供する大阪市天王寺区の店。多い日には1日300個ほどの卵を使う。仕入れ価格の上昇に頭を悩ませている。卵の卸売り価格の目安となるJA全農たまごの大阪地区での平均価格は、Mサイズ1キロ当たり300円。先月に比べて42円値上がり。店主・川上和雄さんは「ほんまに大変」と語った。物価高騰が続く中、茨城・水戸市のラーメン店ではラーメン1杯250円。去年の開業以来、値上げをせず低価格で提供。店主・村上英雄さんは原材料費は上がっているが、価格を店の名前に掲げているため値上げは選択肢にない。そこで人件費と光熱費を減らす一環で午前の営業を1時間短縮。回転率を高めるためシンプルな具材や細麺を使い、ゆで時間の短縮にも取り組んでいる。村上さんはできることは何でもすることで物価が落ち着くまで乗り切りたいと考えている。村上さんは「喜んで食べている姿がうれしく感じ頑張りたい」と語った。