今週は、九州の冬の表情を中継で紹介。お歳暮や年末年始に向けて出荷の最盛期を迎えている熊本県上天草市にある車エビの養殖場から、熊本放送局の吉岡アナウンサーがリポート。プランクトンが多く栄養豊富な海で育ったエビは冬の時期は甘さが増し、尻尾の辺りがオーロラのように青く輝いている。養殖の池から水揚げされたエビは、温度の異なる6つの水槽に移される。エビは低い温度で新鮮さを保つが、いきなり冷たい所では死んでしまうため、徐々に徐々に冷たい温度に慣れてもらい生きたままなるべく届けるようにしている。きょうだけで30キロ、天草地域全体でシーズン通して200トンの出荷を見込んでいる。上天草市は車エビ養殖発祥の地といわれており、100年以上続いている。ただ、最近の夏は暑いため、出荷の冬を迎えるまで温度調節が大変だという。10月に入っても暑い日が続き、温度が高いと成長が鈍ってしまうため、海と養殖池の水を24時間循環させた。温度管理は、消費者の手に届くまでも続く。エビを輸送する際に段ボールに敷き詰めるおがくずは、温度の上昇を抑え、生きたまま届ける役割を果たしている。天草漁協・小崎陽介さんは「毎年温暖化に悩まされて、水温も上がり海の環境も変わったけれど、年末たくさんのお客さんに車エビを買っていただき喜んでもらう、そこにやりがいを感じている」と述べた。あすは福岡県の伝統的な織物、久留米絣の工場から伝える。