きょうのドル円の予想レンジは142~144円。本日の注目材料は日本の毎月勤労統計とアメリカの失業保険申請者数。日本の実質賃金の低迷とアメリカの労働需給のゆるみが確認されれば円安要因とドル安要因の綱引きになりそう。上下どちらにもレンジブレイクのリスクはあるとみられる。きょうの注目ポイントは投機的円高局面、終わりの始まり。ドル円は4月下旬に一時139円台まで円高にふれた。近年のドル円相場はシカゴ筋の投機持高に連動して上下する傾向があるが、為替が円安にふれる際には同じ方向で動いている。一方で円高に向かうときの反応はにぶい。投機筋の円買いに対して相場の反応が鈍い背景は、日本の貿易・デジタル赤字の決済に伴うドル買い、NISAを通じた個人マネーの海外流出、日本企業の海外進出に伴う直接投資のドル買いなどがあり、日本発の構造的な円売りが円の上値を抑えているという。