旧ユーゴスラビアのセルビアでは14年間政権を握ってきた与党を率いるブチッチ前大統領が辞任し、首相復帰を目指した議会選挙が25日に行われた。この結果、ブチッチ氏率いる中道右派の与党「セルビア進歩党」に対して、汚職対策などを訴える新興勢力「学生リスト」が過半数の議席を獲得する見通しとなり、ブチッチ氏は「われわれの敗北は明らかだ」と述べて敗北を認めた。これにより政権が交代する見通しとなり、メディアは強権的なブチッチ体制からの歴史的な転換で新たな時代の幕開けだと伝えている。「学生リスト」はおととし、駅の屋根が崩落して16人が死亡した事故を受けて、公共事業をめぐる汚職に対する学生主導の抗議活動が拡大したことをきっかけに組織された政治勢力で、選挙では医師やスポーツ選手などさまざまな分野から候補者を擁立した。ただメディアは「学生リスト」が今後、どのような体制を構築するかには不透明さもあると指摘している。またブチッチ氏はロシアや中国寄りの姿勢で知られており、新政権の外交方針によっては地域やヨーロッパの情勢に影響を与える可能性がある。
