東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故の発生から14年。全国各地で避難生活を続ける福島県の住民は先月1日時点で2万4000人余りに上る。そうした中、栃木県で避難生活を送る男性は語り部活動を通して避難先への感謝の気持ちを伝えようとしている。栃木県で避難生活を送る佐々木茂夫さんはふるさと福島で震災の語り部活動をしている。自宅があったのは福島県の浪江町。原発から10キロの場所だった。宇都宮市に避難した当初は福島から来たことをほとんど明かしていなかった。しかし震災の数年後、栃木のラジオ番組で被災体験を話してほしいと依頼が舞い込む。震災の話をしてみても心配をよそに周囲の人たちの態度が変わることはなかった。震災から14年、変わらぬ穏やかな生活をかなえてくれた栃木の人たちへ語り部として感謝を伝えたいと思うようになった。向かったのは宇都宮から200キロ。青い海が広がり福島第一原発が立地する福島県の双葉町。震災の教訓を学ぶために全国から訪れた人たちに語りかける。平穏な生活への感謝、それは穏やかな日常は決して当たり前のものではないというメッセージでもあった。佐々木茂夫さんは、皆さんが生活しているなかに通常に生活できるのが非常にありがたいと話した。
住所: 栃木県下野市医大前3