鹿児島県屋久島町にある安房保育園。年長のきりん組17人は動物が大好きで、「動物園に行く」という夢を持っている。最寄りの動物園は100キロ以上先の鹿児島市にあり、船を使わないと行けない。夢を叶えるため、アルバイトをしてお金を稼ぐ「動物園プロジェクト」を去年6月に始動した。子どもたちは地域で仕事を募集、この日は高齢者施設の草取りを請け負った。もらった報酬はお金ではなく、手作りの雑巾だった。このプロジェクトでは、仕事の報酬を「現物支給」としており、それに自分たちで値段をつけて販売するというルールになっている。この雑巾は1枚30円で販売することになった。2月は屋久島の特産品・タンカン収穫をお手伝い。54キロのタンカンを無人市で販売した。田植えから稲刈りまでの米作りにも挑戦し、収穫したお米は園のイベントで販売することに。1年半に及んだプロジェクトで稼いだお金は合計6万5500円で、1人あたり3852円となった。島から動物園に行くためには、1人およそ1万3000円かかるが、保護者からの支援もあり動物園への切符を手にした。今月11日、念願の動物園を訪れた園児たち。テレビや絵本でしか見たことがなかった本物の動物を目にして喜んでいた。園内にある遊園地では初めての観覧車も楽しみ、自分たちで稼いだお金で動物園を満喫していた。