阪神淡路大震災の発生から今月17日で30年。現在放送中の連続テレビ小説「おむすび」で、主人公が通った専門学校の先生役を演じていた俳優・相武紗季さんも、兵庫県宝塚市の自宅で被災した。当時小学生だった相武さんは、不自由な暮らしを強いられた経験から、日頃の備えの大切さを伝え続けている。相武さんが当時暮らしていた宝塚市では119人が亡くなり、3559棟の建物が全壊した。相武さんの祖父が撮影した写真には、身近な場所の生々しい被害の様子が記録されている。当時、相武さんは小学3年生。自宅は倒壊を免れたが、ライフラインが寸断。断水は1か月以上続き、地震の恐ろしさを目の当たりにした。家財が散乱する家の中で、奇跡的に割れずに残ったティーカップ。もっと備えをしておけばよかったと母親が悔やんでいたことを覚えている。この経験から、相武さんは普段から災害に備えるようになった。震災から30年。街の復興の様子を見続けてきた相武さんは、当時のことが忘れられてしまうのではないかと危機感を持っている。相武さんは発信力を生かして、防災への意識を高めてもらう活動を続けている。家庭では、2人の子育て真っ最中の相武さん。今の思いを「自分の記憶を子供に伝える」と書き、「その当時思っていたこととか見た景色とか、自分の両親がどういうことに苦労したかということを当事者じゃない人たちと分かち合うというか自分の経験を伝えていって、経験したことのない人も当事者のような気持ちになって物を備えたりとか考えられるようになるといいなと。私自身としては周りの方もそうですし、自分の子どもたちにもしっかり伝えていきたい」と述べた。