宮崎県の都井岬。その丘には野生で暮らす岬馬が草を食む。岬馬は国が指定する天然記念物となっている。100頭ほどの岬馬はここで草を食み繁殖するが、餌を与えたり触ったりすることはできない。渡辺木直さんはその岬馬の監視員を2年前からしている。呼ぶのは番号、野生であることを尊重し名前はつけない。岬の広さは560ヘクタール、渡辺さんは馬が無事に生きているかを日々監視する。バイクで見回りをしながら馬糞を片付ける。さらには森の中に入り、ケガをしたのだという馬を気にかける。監視員は飼育員とは違い、直接手助けをすることはできないのだという。埼玉県出身の渡辺さん、動物が好きで専門学校卒業後は観光牧場に就職した。それまでは飼育された動物と触れ合ってきたが、岬馬の存在を知り宮崎県にやってきたのだという。地元で民宿を営みながら組合長を務める迫田さんは岬馬のルーツを江戸時代からだと教えてくれた。藩主が軍馬を育てるために放牧したのが最初だという。その後地元の人たちが共同で岬を買取り、野生化した馬を見守るようになった。組合員が高齢化していく中で、渡辺さんは期待の若手ということになる。
ある日、渡辺さんは迫田さんに山の中の柵が緩んでいることを報告。木の枝をワイヤーに巻き付け応急処置を行った。4月、馬は出産シーズンを迎える。渡辺さんは夜明け前に見回りに出た。春でも都井岬は冷たい風が吹き、寒い雨の中での出産で生まれてすぐ死んでしまうケースもある。2年前に21頭生まれた子馬は現在6頭しか残っていない。そんな中で渡辺さんは60番という出産間近でなかなか子どもが生まれない馬を気にかける。何かできるわけではないが毎日訪れるのだという。そんな中、渡辺さんと迫田さんは連れ立って昼食に出かける。地域で1軒だけの食堂、店主の友部さんは60年間お店を守り続けてきたのだという。5月、岬の緑が濃さを増すと、生まれたばかりの春駒が駆け回る。渡辺さんが気にかけていた60番も無事出産していた。渡辺さんは「無事に生まれて良かった、母娘で似ていてかわいい」と素直な気持ちを語ってくれた。生まれた子馬は野生の厳しさと輝きを身につけていく。岬馬がありのままに生きる都井岬、渡辺木直さんもここで生きていく。
ある日、渡辺さんは迫田さんに山の中の柵が緩んでいることを報告。木の枝をワイヤーに巻き付け応急処置を行った。4月、馬は出産シーズンを迎える。渡辺さんは夜明け前に見回りに出た。春でも都井岬は冷たい風が吹き、寒い雨の中での出産で生まれてすぐ死んでしまうケースもある。2年前に21頭生まれた子馬は現在6頭しか残っていない。そんな中で渡辺さんは60番という出産間近でなかなか子どもが生まれない馬を気にかける。何かできるわけではないが毎日訪れるのだという。そんな中、渡辺さんと迫田さんは連れ立って昼食に出かける。地域で1軒だけの食堂、店主の友部さんは60年間お店を守り続けてきたのだという。5月、岬の緑が濃さを増すと、生まれたばかりの春駒が駆け回る。渡辺さんが気にかけていた60番も無事出産していた。渡辺さんは「無事に生まれて良かった、母娘で似ていてかわいい」と素直な気持ちを語ってくれた。生まれた子馬は野生の厳しさと輝きを身につけていく。岬馬がありのままに生きる都井岬、渡辺木直さんもここで生きていく。