新型コロナが感染症法上の5類に移行して以降、初のシーズンとなったこともありシーズン中の山梨県側の登山口、吉田ルートからの登山者はおよそ14万人と感染拡大前とほぼ同じ水準まで回復した。一方で山梨県によると山小屋に宿泊せずに夜通しで一気に頂上を目指すいわゆる「弾丸登山」や登山道での仮眠などをする人が相次いだほか、ゴミを捨てるなどマナー違反の行為をする人もいた。そこで山梨県は入山する登山者の数を制限することになった。山梨県は安全が確保できる人数として一日当たりの登山者の上限を4000人とした。多くの人が登山をスタートする吉田ルート側の5合目にゲートを設置して通過できるのは午前3時から午後4時までに限ったうえで通過する際には1人当たり2000円の通行料を徴収する。この2000円はゲートの設置や登山道やゲート付近の指導員の配置などの必要経費を過去の年間平均の登山者数で割って算出した。そして通行料を支払ったかどうかはお金を払った際に引き換えにもらえるリストバンドで確認するということにしている。一方、登山口まで行ったのに結局登れないということがないよう、新しく導入される予約システムを利用することもできる。環境省や山梨県、静岡県が運営する富士登山オフィシャルサイトから入り、山小屋に宿泊するのかそれとも日帰りなのかということ選択したあと、登山する日にち、人数、決済方法などを入力し、予約が完了するとゲートを通過する際に使用する二次元コードが送られる。予約できるのは当日訪れる登山者数の想定を除いた一日当たり3000人分。4000人上限だから1000人は当日受付になる。予約は今月20日の午前10時から今シーズンの受け付けが始まる。山梨県の長崎知事は「予約システムに登録することで人数規制の不安なく登山計画を立てることが可能になるので積極的に利用していただきたい」とコメントしている。業者が大量に予約してしてしまうことを防ぐため、悪天候にならないかぎり、自己都合では返金に応じてもらえない。なにより登山は安全が第一。無理のない計画を立てて楽しんでほしい。