2004年に飯尾醸造に入社した飯尾は、米酢のニオイの原因となるダイアセチルを消す研究に取り組むことになった。しかし、飯尾醸造には大学のような設備はなく専門的な研究はできない。そこで発想の転換としてニオイを消すのではなく米の量を増やしてできる別の香りでダイアセチルのニオイを覆い隠すことにした。発酵の温度や時間など試行錯誤を繰り返し完成したのは富士酢プレミアム。旨味を引き出しつつツンとしたニオイを優しい香りで包み込むことに成功。この新しいお酢を多くの人に知ってもらいたいと飯尾が訪ねたのはてんぷら近藤。国内外の著名人から支持され、ミシュランガイド東京にも掲載される名店。飯尾はできたばかりの米酢を試してほしいと店主の近藤さんに直談判すると仕入れが決定。これで他の料理人にも知れ渡るように。村上は一般的な酢、富士酢、富士酢プレミアムの味の違を比べ、富士酢プレミアムは一番まろやかだと答えた。飯尾は棚田で米を作るなどをする理由には祖父から続いているものはつづけたいと考えていると語り、父が米を作ろうと良い出したという。その背景には棚田が荒れ地になってしまうので里山の景観保全にも米を作ろうと思ったという。また祖父がオーガニックのお酢を作るために農家を口説きおとしたが、意思決定の強い農家の奥さんを魚を渡すなどして口説き落としていたという。