富岳による竜巻の予測について、長内厚は最近のコンピューター技術は生成AIが話題だが、こうしたAI向けのコンピューターと今回活躍した富岳のようなスーパーコンピューターはそれぞれ得意とする分野が違う。スーパーコンピューターはCPUを中心に構成されるが、AI向けのコンピューターはGPUを中心に構成されている。CPUは汎用の計算機で様々な用途に用いられ、複雑な計算を得意とする。スーパーコンピューターは気象計算や科学技術計算など複雑で膨大な計算をこなすのが得意。今回のシュミレーションでも大量の気象データを処理して竜巻の予測をした。一方、生成AIに使われるGPUは行列演算と言われるものが得意。シンプルな計算を同時に処理することに優れている。元々は画像処理やゲームなどのグラフィックに使われていたが、最近では言語や音声の処理にも活用が広がったことで、GPUを中心に構成される生成AIというものが脚光を浴びていると話した。最近の高度な生成AIにはスーパーコンピューター級の計算機が必要だと言われている。富岳もAI専用のコンピューターほどではないが、AIの計算にも対応していると言われている。今回のプロジェクトでも今後はシュミレーションのAIの機械学習に加えて、予測性能などを上げることが課題とされている。それぞれ異なる特徴を相互補完的に活かすことで気象予測のさらなる高度化が期待できそうと話した。