木棺は1600年前のものとは思えないくらい、極めて良い状態で残っている。富雄丸山古墳は直径109メートルを誇る日本最大の円墳で、大和政権の王などが葬られてるとされる前方後円墳とは形が異なる。村瀬氏は佐紀古墳群との関係性を指摘する。蛇行剣は古墳の頂上ではなく本体から突き出た部分で見つかっている。魏志倭人伝には中国の魏から約1.2メートルの刀2本をもらったと記録されている。蛇行剣が作られたのは4世紀。当時の日本人は魏からもらった刀の倍となる2.4メートルの巨大な剣を自らの手で作れるほどに技術革新を進めていた。岡林氏は「4世紀の技術革新は東アジア世界に日本人が出て行った、5世紀を準備した時代。蛇行剣はまさにその象徴ともいえるような出土品」と話す。