寛永寺の一角には大奥で暮らした将軍の正室、側室が眠る墓所があった。米田穣教授らは発掘調査で見つかった骨を科学的に分析し、生前の食生活に着目する。また、健康に支障をきたすほどの濃度の鉛が骨から検出された。鉛を使った白粉は安価でノビがよく、落ちにくかったことから好評を博した。大奥の女性たちの間では、白粉を薄く塗ることは下品とも言われていたという。50年以上にわたって人骨を研究する馬場悠男氏は頭蓋骨から生前の相貌を復元できる。馬場氏は徳川家重の正室だった証明院の復顔像を見せてくれた。伝統的に柔らかい白米、魚を食してきた公家の食生活が見て取れるという。
住所: 東京都台東区上野桜木1-14-11