ことし2月に亡くなった世界的な指揮者の小澤征爾さんの出生地・中国で昨夜、追悼の演奏会が開かれ、中国の教え子による指揮で小澤さんの業績をしのんだ。小澤さんは1935年、昭和10年に旧満州、今の中国東北部で生まれ、その後、北京に移り、5歳のときに日本に帰国した。生涯を通して中国への思いが強く、指揮者として何度も訪中し、中国の人たちと交流を深め、音楽家の指導にも当たった。昨夜、北京市内のホールで開かれた追悼の演奏会では、19歳のとき以来、小澤さんの指導を受け、小澤さんを師と仰ぐユロさんが指揮した。オーケストラが中国の曲などの演奏を終えると、小澤さんの長女の征良さんから、ユさんに父親が使っていたベートーベンの交響曲第5番運命の楽譜が手渡され、ユさんが小澤さん譲りの全身を使った力強い指揮を披露した。