かつて日本の台所とも呼ばれた築地市場は豊洲市場への移転で6年前、83年の歴史に幕を下ろした。跡地の再開発の対象となるのは、およそ19ヘクタール。再開発を担う三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社が会見し、計画を説明した。再開発の中心になるのは、およそ5万人を収容できる多機能型スタジアム。コンサートや野球、バスケットボールなど。スタジアムは観客席やフロアを動かすことで、用途に応じて形を変えることができるという。プロ野球巨人のオーナーも務める山口寿一社長は東京ドームの老朽化が課題となるが本拠地の移転を前提として計画してきたものではないと話した。会見で強調したのが、隣接する場外市場との連携。料理人の技術を伝承したり、食の研究拠点を整備したりして、食文化を発信していく考えを示した。場外市場の豆専門店・宇佐美貴之さんは豊洲移転後に訪れる人が減ったと感じたが再開発で利便性が良くなってほしいと話した。場外市場の店で作る協議会は、新たに出店する店のデザインなどについて、事前に相談することを求めるガイドラインを取りまとめた。来年度から一部の施設で着工し、スタジアムを含む多くの施設の整備完了は、2032年度の予定。