山口県のポツンと一軒家を訪ね、主の英夫さん71歳に話を聞いた。築百年の生家の中を見せてもらった。床板を張り替え中でブルーシートを敷いていた。畳が腐って床が崩れたため自力で板間にしたという。内側からは天井部分に3層になった茅が見えた。英夫さんの父の婿入り道具として持参した桐箪笥が置いてあった。英夫さんは傷んだ実家を修繕するために通い続けている。床を支える角材が折れその上の床板も割れていた。床板の作業も5年前脳梗塞を患った英夫さんには重労働だった。雨漏りのため台所の傷みが特に激しく、使えなくなっている。お風呂も使えず10キロ先の温泉施設に通っている。ここで過ごす間の食事は麓のスーパーの弁当や惣菜で済ませている。英夫さんは「自分で大丈夫だと思う間は居りたい」と話した。