宮崎・小林市にあるダム湖。約80haにわたって水草に覆われている。特定外来生物に指定されているボタンウキクサ。観賞用に輸入された南アフリカ原産の水草で、強い繁殖力が特徴。野尻湖では一昨年、生息が確認されてから爆発的に繁殖。各方面で影響が出始めている。船が湖を往来できないため、ダムの管理にも支障をきたしているほか、水質の悪化も懸念されている。葉の部分は枯れていても根の部分は生き生きとしていて、春になると繁殖を再開させるという。こうした状況を受け、県はボタンウキクサの繁殖期を前に、約2億1600万円をかけ今月から除去作業を開始。岐阜県から手配した専用の船で回収を進めている。特定外来生物は、法律で移動させることが禁止されているため、そのまま処分場に持っていくことはできず、回収したボタンウキクサは仮置き場に運び完全に枯らさなければならない。どれくらいで枯れるのか、仮置き場のスペースは足りるのかなどは不透明で、県では状況を見ながら判断するという。都城土木事務所・鏡園義幸さんは「(量が)多いという一言に尽きる。運搬に手間がかかるのが大変。地道に(湖から)上げていくしか方法がない。専用の機械を用いても手間がかかる状況」と話した。ボタンウキクサの除去作業は春先まで続くという。