豊臣秀吉が吉川広家の母や妻宛てに送った手紙が山口県岩国市で見つかった。手紙は岩国徴古館が個人から寄託を受けた資料から見つかり、東京大学史料編纂所の村井祐樹准教授が調査にあたった。手紙は3通あり、いずれも1590年前後に毛利家家臣の武将、吉川広家の母や妻宛てに秀吉が送らせたお礼の手紙だということがわかった。広家はかつて秀吉の人質となり、後の槍の名手として称賛されるなど、秀吉が信頼していた武将として知られている。このうち、広家が朝鮮に出兵している時に広家の妻から贈り物をもらったことへのお礼の手紙には「歳暮の祝いとして呉服一重が届きお喜びです」などと書かれている。村井准教授は「細やかに対応する秀吉の性格が伺える貴重な資料」と指摘している。