2025年11月17日放送 1:28 - 2:28 TBS

ドキュメンタリー「解放区」
巨大基地の波紋 〜戦後80年 激変する安全保障〜

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(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

巨大基地の波紋 〜戦後80年 激変する安全保障〜

父親が中国で戦死した岩下は、今年5月に種子島・西之表市にて開かれた戦没者慰霊祭に参列し、937人の死を悼んだ。終戦80年、日本の安全保障環境は大きく変化し、中国軍が日本周辺で活発化させる中、国は馬毛島で1兆円以上投じて巨大基地を建設した。漁場を失った漁師、自衛官を志した若者に迫っていく。

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映画『小屋番 八ヶ岳に生きる 劇場版』

1月9日に全国順次公開する映画『小屋番 八ヶ岳に生きる 劇場版』の告知。

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巨大基地の波紋 〜戦後80年 激変する安全保障〜
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馬毛島では今年10月、航空自衛隊の巨大基地の建設が進められ、2030年に完成予定となっている。馬毛島は戦後の食糧難であった1950年代に開拓団が入り、最盛期には528人が暮らし、かつては飛ぶ魚漁や酪農が盛んで宝の島と呼ばれた。しかし島を離れる人が増加し、1980年には無人島となった。その後はレジャー施設や石油備蓄基地など幾多の開発計画が浮上するも立ち消えとなった。2019年に国が民間企業から160億円で買収を決め、自衛隊基地建設に踏み切った。着工から2年半、滑走路も少しずつ形を成してきていた。南西地域では急速に防衛強化が進められ、去年には那覇駐屯地に地対艦ミサイル部隊が新たに置かれた。馬毛島基地には係留施設に約2000mの滑走路などが作られる。米軍FCLP・F-35B・PAC3・水陸両用車の訓練が計画されている。建設費はすでに1兆円を超えており、最終的な費用は未だ不明となっている。

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種子島の西之表港では毎朝、馬毛島へ2000人近い作業員を送る漁船・海上タクシーが並んでいる。海上タクシーの収入は1日辺り8万円で、1か月で160万円ほどで、漁をやめて海上タクシーに専念する漁師もいる。一方で基地建設の特需を冷静に分析する漁師も居た。市場の競りでは海上タクシーに出る漁船が多い日は魚がめっきり減り、鮮魚店では魚の仕入れが4割減となっていた。種子島の人口は2万6,000人で、島内外から6,000人近くの労働者が基地建設に吸い上げられ深刻な人手不足となっている。養護老人ホーム職員の和田はすでに施設内で人手不足となり、本来50人収容可能であるが40人に減らしていると明かした。西之表市の八坂市長は賛否を示しておらず都度考えているなどと伝えた。

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巨大基地の波紋 〜戦後80年 激変する安全保障〜
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地元漁協は国の補償金22億円を受け入れ漁業権を一部放棄している。漁師の濱田は基地建設の差止めを求める訴訟を起こしている。防衛省は濱田らが権利を持つ入会地を残して馬毛島の殆どを買収し、入会地へ行くためには国有地を通る必要があり、原則国有地の立ち入りが認められていなかった。濱田にとって馬毛島は亡くなった兄との思い出の地であった。濱田は国の補償金を受け取らず、種子島近海で年間20から30日漁を続けている。今年7月、中種子町にて馬毛島先遣隊が歓迎式を行い活動を開始した。元自衛官で中種子町議員の大町田は宿舎には隊員約90人とその家族が暮らす予定だと伝えた。大町田は6年前に種子島勤務となり自衛官募集・広報を担っていたが、活気を失った地元を目にして、一昨年に自衛官を辞め町議会議員になった。この日、地域の運動会の準備を行っていた。大町田は基地建設をプラスに出来る保証もなく、マイナスになる可能性も分からないのだと打ち明けた。

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屋久島ではここでしか見られない手付かずの自然が残されている。しかし2023年、 屋久島沖で米軍オスプレイ墜落が発生し、乗員8人全員が死亡し、残骸回収や乗員捜索に地元漁師たちも協力していた。米軍空母艦載機 陸上離着陸訓練・FCLPは馬毛島で年間最大20日程度行われ、詳細な飛行ルートは不明となっている。屋久島の山岳ガイドである内室は24年前に神戸から移住してきた。内室がオスプレイを初目撃したのは墜落事故の3週間前で、島の今後に不安を抱いていた。

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岩国基地では空母艦載機が立て続けに離着陸を繰り返し訓練していた。今年9月、山口・岩国基地では25年ぶりに米軍空母艦載機 陸上離着陸訓練・FCLPが行われた。錦帯橋で知られる岩国市には敷地・東京ドーム185個分の米軍基地が広がり東アジア最大級となっている。米軍のFCLPは通常、硫黄島で行われているが火山活動が活発化し、今回は岩国基地での実施となった。元岩国市長の井原はこの日、25年ぶりのFCLPを見に向かっていた。井原の市長時代である2006年に米軍再編で空母艦載機の移転計画で揺れていた。当時井原は移転計画に反対し、住民投票で87%が反対票となったが、国の示した補助金・基地負担に翻弄され、岩国市は市庁舎建て替えに総額49億円の補助金を見込むも基地負担増加に反対したため国が支給をストップし、市民ら1万人が抗議集会を開いた。2008年に市長選が行われ基地負担に容認姿勢の候補が当選し、国は補助金を再開した。岩国市によるとFCLP関連の飛行は6日間で昼夜計1,348回であり、70デシベル以上の騒音は3,237回に及び、岩国市への苦情は1,064件となった。今年度は基地関係の交付金・補助金を93億円余り受けている。

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今年10月、中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域で調査と見られる活動を無断で実施し、中国軍が潜水艦を太平洋へ向かわせるために海流や海水温を調べているとの見方が出ている。元海自 自衛艦隊司令官の香田は中国は最新データを積極的に取りたいなどと解説した。中国は米が主導権を握っていた太平洋地域で国際的影響力を拡大する狙いがあると見られており、2020年に米海軍と中国海軍の艦船数は逆転し、2030年には更にその差を伸ばすと予測されている。もう一つの背景には台湾有事の懸念があり、中国は太平洋での活動活発化させ米軍介入を阻止する狙いがあると言われている。国産哨戒機P-1は海自鹿屋航空基地に6年前に配備され中国海軍を察知するため至るところにレーダーを備えている。P-1の緊急出動は年20回を超えている。この日訓練を行ったP-1は今年に中国海軍の航行が11回確認されている大隅海峡などを偵察した。長さ1mほどの筒状のソナーであるソノブイは音データを基に潜水艦の位置を特定する。基地は戦時中908人が特攻で出撃した場所でもある。鹿屋航空基地のトップである第1航空群の大西司令は中国海軍などの活動が非常に活発化し、常習化しているといえる状況にあるなどと語った。

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中国が海洋進出を進める中で他でも防衛強化は進んでいた。鹿児島・さつま町では弾薬庫を整備し、鹿屋基地では大型無人偵察機・シーガーディアンの配備が計画されている。日米の連携が防衛強化の鍵であり、9月の日米共同訓練では編隊飛行で給油訓練が行われた。鹿屋基地では日米のオスプレイ11機が飛来し訓練拠点となった。鹿屋基地では一昨年まで米軍の無人偵察機・MQ9が一時配備され、日米連携が進んでいる。戦時中に空襲や進駐を体験した立元は戦争は絶対してほしくないと伝えた。

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陸上自衛隊国分駐屯地では朝6時に新人隊員たちの1日が始まった。今年春に高校卒業後、陸上自衛隊国分駐屯地の教育部隊に入隊した野間は分刻みの集団生活で自衛官の基本動作を学んでいる。野間たちは4月に入隊式を行い、252人が入隊した。この日、野間たちは小銃を手渡され、小銃を手に地上訓練を行った。新人たちは各々に気づきや反省点を話し合い、再び訓練を行った。5月、アメリカではヘグセス国防長官が台湾有事への危機感を顕にした。1か月ぶりに実家に帰省していた野間は、ルソン島で22歳で戦死した大伯父・赤崎数男に影響を受けて自衛官を志した。入隊後初めて親族の墓参りを行った野間はいざというときに行動に移せるよう心の準備をしたいなどと明かした。6月、修了式が行われ野間らは3ヶ月の基礎訓練を終え、大分の対戦車部隊で専門的な訓練を受けることとなっていた。各国の思惑が複雑に絡み合う中、馬毛島の巨大基地は2030年完成を目指している。

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エンディング

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