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オープニング映像。
斎藤知事の出直し選挙となった去年の兵庫県知事選。毎日放送では選挙前まで知事の問題を報じてきた一方、選挙期間中は「すべての候補者を公平に扱う」との理由で報道量が激減した。多くの有権者はインターネットで情報を得るようになり、「メディアは情報を隠している」との批判が激化。次の参議院選挙では選挙期間中も萎縮することなく情報を発信する方針となった。
これまでの選挙報道では、放送法のもと「各政党や候補者を公平に扱う」との理由で選挙期間中の報道量が少なかった。政府が形式的な公平性を絶対的な基準とし、放送局にプレッシャーを掛けていたとの専門家からの指摘も。BPOは「量的公平性ではなく質的公平性」との意見書を提出したが、放送局は量的公平性にこだわり続けた。
MBSで夕方に放送されている報道情報番組「よんチャンTV」。今回の参議院選挙では、選挙期間中も「量的公平性」にとらわれすぎず選挙報道を行うことを決定。投開票直前の金曜は3時間すべてで選挙特集。
7月3日、参院選公示。17日間の選挙戦が始まりMBSの事前報道もスタート。「よんチャンTV」では「ホンネとギモン」と題して特集を放送。細かな言葉遣いまで気を配り、VTRも念入りにチェック。
今年の参院選で報道姿勢を一新した毎日放送。きっかけになったのは去年の兵庫県知事選。その知事選を報道した木村記者は、SNSと選挙との関わり方について集中的に取材。選挙報道を統括する米澤さんは番組でのスタジオ解説も担当。選挙戦では外国人政策が争点となり、「日本人ファースト」を掲げる参政党の存在感が高まった。
今年の参院選で報道姿勢を一新した毎日放送。課題は、急浮上する参政党をどう取り扱うかについてで、目指すのは質的公平性に沿った報道。毎日放送では選挙が近づくほど報道量を増やし、記者自ら番組に出演しスタジオ解説した。躍進が見込まれる参政党の神谷代表や、反対勢力などに直接取材した。
毎日放送の報道情報番組「よんチャンTV」では、3時間全編で選挙を特集した。右派的な主張で躍進が見込まれる参政党が支持を伸ばす社会背景について特集し、参政党の思想の根幹、有権者の本音、インターネットメディアの選挙報道などを報じた。
参院選の投票当日、よんチャンTVの開票速報SPが放送された。選挙期間中、MBSでは約8時間にわたり事前報道し、去年の衆院選に比べ5倍超となった。すべての候補者を同じ時間だけ放送する「量的公平性」を超え、「質的公平性」を探りながらの放送だった。選挙後、局員らが挙げた課題は「参政党をどこまで紹介すべきだったか」「質的にバランスをとる意味が掴みきれなかった」などだった。
エンディング映像。