高校時代からの親友・横浜流星と書いた岩谷翔吾のデビュー作「選択」(幻冬舎)を紹介。物語は「亮は走っていた。父を殺すために。」という衝撃的な展開から始まる。亮と母親は父親から日常的に暴力を受けていた。亮はカバンに包丁を忍ばせて父親を探し、街を走っていた。すると偶然、命を絶とうとする少年に出会う。亮は少年を引き止めると、かつて同じ児童養護施設で過ごした匡平だった。一方、亮のカバンの中の包丁を見た匡平は「どんな理由でも、殺したらダメだよ」と諭した。殺そうとした亮と死のうとした匡平が再会し、2人は生きることを選択した。大人になった亮と匡平の友情は続いていた。しかし、亮はある特殊詐欺グループのメンバーとなり、犯罪に手を染めていた。そんな時、愛情を伝えてくる美雨と出会う。犯罪者として生きていくか、美雨との将来を考えるか。亮の決断には匡平の存在が大きく関わってくる。岩谷翔吾は「選択」が孤独に寄り添う作品になればと話した。