今回の岸田総理大臣の外遊は、グローバルサウスを意識したものといえる。3時間後、南米に向けて出発し、ブラジル、パラグアイを歴訪。上川外務大臣も、5日までの日程で、アフリカや南西アジアなどグローバルサウスを訪れる。取材した外務省関係者は「グローバルサウスとG7などとの橋渡し役となる外交を行いたい」と話していた。これと同じ時期に、中国・習近平国家主席も首脳外交を展開。5日からフランス、セルビア、ハンガリーの3か国を訪問する。ハンガリーは、EU(ヨーロッパ連合)の中でもロシア寄りの姿勢を指摘されている国で、中国はロシアとの関係も念頭に置いていると見られる。
フランスで取材している政治部・小口佳伸記者が解説:岸田総理大臣の各国歴訪は、中国、ロシアを意識したものになる?「そうなると思う。ある政府関係者は“国際秩序は今、日本や欧米の民主主義陣営と、中国、ロシアといった権威主義陣営のどちらが勝るのか、分水れいにある”と話している。経済分野を見てみると、ヨーロッパにも中国との結び付きが強い国というのがある。フランスも、融和的だとしばしばいわれている。岸田総理、今回ルールや自由に基づく経済秩序の重要性を強調し、OECD(経済協力開発機構)加盟国に結束を呼びかけたが、背景にはこうした危機感がある。一方で加盟国と東南アジア諸国の連携強化を図ったという点もポイントで、グローバルサウスと呼ばれる、中間的な立場の国々を民主主義陣営に引き寄せるというねらいがある。このあと訪れるブラジルも、グローバルサウスの主要国。パラグアイは南米で唯一、台湾と外交関係がある点からも中国を意識したという、この強さがうかがえる」。
国内では補選の全敗など、岸田政権は厳しい局面が続いている。今回の歴訪を通じどう戦略を練り直そうとしているのか?「頭を悩ませているところだと思う。今回の補欠選挙の結果を受けて、与党内には、秋の自民党の総裁選挙の前に衆議院を解散するというのは、厳しくなったという見方がある一方で、岸田総理の気持ちは折れていないと、何をやってくるか分からないぞという声もある。岸田総理自身は、今は衆議院の解散は全く考えず、国内外の課題に専念するとしているが、このことばを永田町に額面どおり受け取るという人はいないというのが正直なところ。どういう戦略を取るにしろ、岸田総理としては、この支持率を回復させるためにも、まずは外交、それから政治改革といった直面する課題で成果を出せるか、これが問われることになる」。国内では政治資金問題、海外では中国やロシアの動き、中東情勢もあり、内憂外患ともいえる状況。外交や政策を進めるためにもまずは政治の信頼回復が必要といえそう。
フランスで取材している政治部・小口佳伸記者が解説:岸田総理大臣の各国歴訪は、中国、ロシアを意識したものになる?「そうなると思う。ある政府関係者は“国際秩序は今、日本や欧米の民主主義陣営と、中国、ロシアといった権威主義陣営のどちらが勝るのか、分水れいにある”と話している。経済分野を見てみると、ヨーロッパにも中国との結び付きが強い国というのがある。フランスも、融和的だとしばしばいわれている。岸田総理、今回ルールや自由に基づく経済秩序の重要性を強調し、OECD(経済協力開発機構)加盟国に結束を呼びかけたが、背景にはこうした危機感がある。一方で加盟国と東南アジア諸国の連携強化を図ったという点もポイントで、グローバルサウスと呼ばれる、中間的な立場の国々を民主主義陣営に引き寄せるというねらいがある。このあと訪れるブラジルも、グローバルサウスの主要国。パラグアイは南米で唯一、台湾と外交関係がある点からも中国を意識したという、この強さがうかがえる」。
国内では補選の全敗など、岸田政権は厳しい局面が続いている。今回の歴訪を通じどう戦略を練り直そうとしているのか?「頭を悩ませているところだと思う。今回の補欠選挙の結果を受けて、与党内には、秋の自民党の総裁選挙の前に衆議院を解散するというのは、厳しくなったという見方がある一方で、岸田総理の気持ちは折れていないと、何をやってくるか分からないぞという声もある。岸田総理自身は、今は衆議院の解散は全く考えず、国内外の課題に専念するとしているが、このことばを永田町に額面どおり受け取るという人はいないというのが正直なところ。どういう戦略を取るにしろ、岸田総理としては、この支持率を回復させるためにも、まずは外交、それから政治改革といった直面する課題で成果を出せるか、これが問われることになる」。国内では政治資金問題、海外では中国やロシアの動き、中東情勢もあり、内憂外患ともいえる状況。外交や政策を進めるためにもまずは政治の信頼回復が必要といえそう。