日本への滞在が長期間に及んでいる人の実情を取材した。10年前に来日して以来、難民申請を出しているクルド人の家族。3年前までこの家族には、難民申請の審査中に出される在留資格があった。就労ができ、健康保険にも加入できた。しかし、難民申請が却下され一家全員が仮放免となると、就労も健康保険への加入もできなくなった。両親は日本で育った子どもたちの将来を懸念している。現在、子どもたちは市内の小学校に通えている。しかし、仮放免で教育が受けられるのは義務教育まで。その後も学び続けられるのか不安を抱えている。仮に進学できたとしても働くことができない。家族は毎週末、支援団体が運営する日本語教室に通っている。日本の文化や言葉を身につければ、家族の将来を切り開けるのではないか、一縷の望みをかけている。