国内のレモンの生産は、広島県、愛媛県、和歌山県で8割のシェアを占めている。こうした中、香川県の農家が、ほかの産地が品薄の時期をねらって新たに売り出していこうとしている。農家の浅野雅文さんは、脱サラして10年ほど前からレモン栽培を始めた。ほかの産地に追いつくために着目したのが、出荷の時期。広島市の市場での取り扱い量の推移を紹介。夏のイメージがあるレモンだが、夏の取り扱い量はほかの時期に比べて少なく端境期となっている。この時期に出荷すれば単価を上げられるのではないか。かつて家電量販店で働いていたときの経験がヒントになった。そこで工夫したのが、収穫の時期を延ばすことだった。広島では4月までに収穫を終えるのが一般的で、出荷は6月ごろまで。そこで浅野さんは6月ごろまで収穫を延ばし、夏にも出荷することにした。木に実らせる期間を長くすることで、レモンは大ぶりに。まろやかな酸味になり、通常の3倍ほどに育つものもある。東京のデパートでは1つ300円ほどで販売されている。さらに収穫後、腐らせずに貯蔵する方法も研究した。レモンが腐る原因は、みずからが放つエチレンガス。周りにあるレモンをも傷めてしまうとされている。そこで取り入れたのが、特殊な袋。エチレンガスが外に出される一方、一度外に出ると、中に入ってこない。さらに、収穫後に冷蔵庫に入れるタイミングや最適な温度などを探り、レモンを夏以降にも出荷できるようにした。香川県では浅野さんのほかにも、新たにレモンの栽培を始める農家が出てきているということで、今後に注目。香川県三豊市の映像。
住所: 広島県広島市西区草津港1-8-1