ハロルド・ブロード博士は原爆炸裂により出現する火球の破壊力を研究してきた。火球がどのように爆心地を襲ったのかを博士の協力を得て映像化した。アメリカで公開された大気圏内核実験のデータを大きな根拠とした。炸裂前の100万分の1秒までに原爆内部の温度は250万度に上昇している。100万分の1秒後、原爆が炸裂し火球が出現する。100万分の15秒後、温度は40万度、直径は20mになる。0.2秒後火球は直径310mに膨張する。核分裂で生じたガンマ線などが空気と反応し、火球の周りには紫の輪が生じる。爆心地から1キロ地点にいた男性は腹巻きをしていた部分を除いて大やけどを負った。またある女性は着物の絣の模様が肌に焼き付いた。核実験アニーの映像は住宅が熱線でくすぶったあと、衝撃波が襲う様子をとらえている。博士は火球が激しく膨張するため空気が外に広がるなどと説明した。東北大学で広島原爆の火球から発生した衝撃波の圧力を推計したときの映像を伝えた。原爆ドームは原爆の破壊力を物語っている。被爆前の原爆ドームは産業奨励館と呼ばれる街のシンボルだった。火球が発した熱線と衝撃波をペンシルバニア大学、東京工業大学の教授が中心となって調査した。住民たちの復原調査から建物の丸屋根は緑青をふいた銅板で覆われていたことがわかった。教授は銅は溶け出したと考えた。科学者たちは骨組みだけとなった丸屋根から熱線の影響を読み取った。瓦礫の中からは丸屋根以外の屋根を覆っていたスレートがいくつも見つかった。大阪大学教授は熱線を再現し、当時使われていたものと同じ天然のスレートへの影響を見た。影響は表面だけでスレートそのものは形を留めた。一方で銅板は一瞬にして溶けて穴が空いた。原爆ドームでは、丸屋根は溶けて骨組みだけが残り、スレート部分は熱には耐えたが衝撃波を受け崩れた。建物の大部分は爆発から1秒間で垂直に崩れた。
住所: 広島県広島市中区大手町1-10
