日本被団協の代表委員などがきょう訪れた谷口稜曄さんの墓。長崎で被爆した当時の写真を掲げて原爆の悲惨さを訴え、戦後の被爆者運動をけん引した谷口さんに、ノーベル平和賞の受賞が決まったことを報告した。93歳の森下弘さん。広島で14歳のときに被爆し、母親を亡くした。その体験を国内外で証言するのに加えて、昭和30年代から続けてきた原爆投下に関する高校生の意識調査など膨大な資料を保存している。森下さんはそうした資料を第三者も活用しやすくするため、リスト化にも取り組んできた。核兵器廃絶を訴える活動をどうつないでいくのか。平和賞の受賞が発表された瞬間、広島市役所で日本被団協の箕牧智之代表委員と共に喜んだのは地元の高校生たちだった。きょう広島市で受賞の決定を祝う催しに、被爆を体験していない若者たちのグループが参加。運動に携わってきた人たちの思いに耳を傾けていた。長崎では、高校生が「思いを私たちに託してください」と呼びかけて署名活動を行った。