奈良県のポツンと一軒家の主、井上さんを訪ね、曽祖父が建てた母屋の中を見せてもらった。入口には重量がかかったときに端に力がいくように曲がった状態の松の木が使われているという牛梁があった。玄関は三和土で大黒柱は栗の木が使われていた。土足で行ける奥の台所にはかまどが残されていた。お風呂は薪焚きの五右衛門風呂で、焚き口が家の中にあるのは危ないため離れに風呂を新設した。御影石を使っている。木が好きだったという亡父が作ったという離れは壁や天井が丸太だった。立派な仏壇があり、上には曽祖父母、祖父母、両親の写真があった。今も井上さんは山の管理を続けており、造園の仕事が入っていたこの日は夫婦で現場に向かった。井上さんは過去に粉砕骨折をし、それ以来同行するようになり今は仕事の相棒だという。