壮大なBGMと共に登場したのは金正恩総書記である。身振り手振りで隊員に指示していたのは超大型ロケット砲の一斉射撃訓練で、昨日日本海に向けて発射された短距離弾道ミサイルのことだと思われる。そして音楽に合わせてミサイル発射の様子や6発のミサイルが同時に発射される様子を報道し、北朝鮮メディアによると「大きな満足の意を示した」という。3日前の式典に金正恩総書記が出席し、隣には娘のジュエ氏とみられる人物がいる。実はこの日の放送をきっかけに金総書記の後継者がジュエ氏ではないかとの憶測が上がっている。発端はアナウンサーが発した「嚮導」や「偉大」などの言葉である。慶應義塾大学の石崎教授は「嚮導は主語が朝鮮労働党か最高指導者にしか使われない。それを脇娘に対して付けたのはかなり踏み込んでいる」などと話した。ジュエ氏とみられる娘が初めて公開されたのは一昨年11月で、その後も軍事パレードなどで2人並んで歩く姿が度々報じられてきた。しかし、午後に放送された同じニュースでは嚮導や偉大と言う言葉は使われなかった。石崎教授は「一度持ち上げたのに下方修正した。金正恩氏の娘をどのように宣伝していくかを調整中だということを示している。現段階では彼女が後継者と見ていい」などと話した。ジュエ氏の今後の動向がどのように伝えられていくのか、注目される。