最初は清水渓流広場で全国的にも珍しいトンネル内を川が流れているのが特徴で、今から300年以上前に川の流れを変えるために岩場を掘りぬいたという。このトンネルはSNSで話題になるほどの絶景スポットでもある。千葉県の素掘りトンネルは房総半島の各地に残っている。トンネルを掘った理由は農業用水を通したり集落同士を結んだりなど様々。たくさん作られたのは房総丘陵の砂泥互層という地質が掘りやすく、また一方で崩れにくかったからと言われている。そのほとんどは地元の人たちの手で掘られたが予算も少なく、完成した時にはお祝いをすることもなかったとのこと。続いては富津市の山の中にある燈籠坂大師の切通しトンネルの高さは約10メートルで山の登り下りをしやすくするために掘り進めたという。君津市にあるトンネルは分岐して横にも数mのトンネルが作られていて、その先には湖と切り立った崖に小さな神社がある。あの土地から見えた湖はダム湖で神社は今も地区で大切にされている「日枝神社」。この素掘りトンネルは集落からの道がダムで水没したので神社に向かうためだけに参道の代わりに掘られたと考えられる。千葉県立中央博物館・島立理子さんは「房総丘陵の人にとってトンネルは非常に身近な存在だった。山中が穴だらけなくらい地域の人はトンネルを気軽に掘っている」などと話した。