上白石萌音さんの今一番お勧めの本は「ギリシャ語の時間」。去年ノーベル文学賞を受賞し話題となった、韓国のハン・ガンさんの作品。萌音さんは「本を読む醍醐味にあふれた作品。一文一文がずごく短くて情景描写が巧み。景色を想起させたかと思ったら深い心理描写に入っていって急に詩になったりとか。一気に読んでしまいました」などと話した。物語は言葉を失った女性が視力を失っていく男性から古典ギリシャ語をならい始め、関係を築いていくというもの。萌音さんは「一瞬で気の利いた返しをできる人が優秀とされがちな風潮の中で、本って言葉のプロたちが練りに練って時間をかけて絞り出して選び取った言葉が並んでいる。それってめちゃくちゃ気持ちのいい逆走だなと思っていて。こういうしっかり煮込んだ言葉を使いたいなって読むとまた思わされる」などと話した。