「ラピダス」は、自動運転の機能やAI(人工知能)などに欠かせない先端半導体の国産化を目指しておととし設立され、2027年ごろの量産化に向けて工場の建設が北海道千歳市で進められている。工場では今月から「EUV露光装置」と呼ばれる最先端の装置の設置作業が始まり、きのうは新千歳空港で記念の式典が開かれ、ラピダスの小池淳義社長は「北海道から全世界に半導体を届けるための記念すべき1日であり、確実な第一歩だ」と述べた。EUV(Extreme Ultra violet)は、日本語では極端紫外線と訳される。半導体を作る際には特殊な光で半導体の基板に微細な回路を焼き付ける必要があるが、この装置はオランダの半導体製造装置メーカー「ASML」が世界で唯一製造する技術を持っていて“世界で最も精密な装置”ともいわれている。この装置は使いこなすのが簡単ではないため、ラピダスとしてはまずは来年4月に予定している試作ラインの稼働を軌道に乗せたい考え。ラピダスの今後の課題について、早稲田大学大学院・経営管理研究科・長内厚教授は「生産ノウハウとか技術はどこから得るのかに関しては、ラピダスは不透明なところがある。これを乗り越えなければいけないというのがひとつの壁としてあり、試作がうまくいくかどうか見ていく必要があると思う。半導体は規模の経済性が効くので(日本企業は)技術で差別化すると言いがちだが、そうではなく半導体に関してはとにかく数、数を追うためにどのような技術を用いたらいいかという発想の転換が必要」と述べた。
住所: 北海道千歳市美987-22
URL: http://new-chitose-airport.jp/ja/
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