健康保険証は、きょうから新規発行が停止され、今後はマイナ保険証を基本とする仕組みに移行することになる。街では「現在使っていない」といった意見が多く聞かれ、変えることに関して疑問を呈す声がある一方、窓口で回収されないなどのメリットがあるといった意見が聞かれた。現在、自治体は対応に追われている。東京・練馬区役所では、きょう朝から50人くらいの区民が、マイナンバーカードの発行や、保険証をひも付ける手続きに訪れていた。手続きに訪れる区民は、ことし4月に比べて、先月は2倍以上に増えていて「2日から保険証が使えなくなるのか」など、誤解した声も多く寄せられているという。練馬区大泉区民事務所・三枝俊夫所長は「保険証、マイナンバーカードの状況を詳しく丁寧に説明していきたい」と語った。きょう以降、マイナ保険証を持っていない人は、主に次の2つの方法で受け付けが行われることになる。1つは今持っている健康保険証。最長で来年の12月1日まで使用できる。ただし国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証は、設定された有効期限まで使用できる。もう一つが資格確認書。マイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人などに健康保険組合などの保険者から、健康保険証の期限を迎える前に、資格確認書というカードが申請なしで交付される。これを医療機関の窓口に提示すれば、今の健康保険証と同じく保険で受診することができる。医療現場では、マイナ保険証への利用に切り替える人の姿も見られた。マイナ保険証を巡っては、ことし10月の時点で、マイナンバーカードを保有している人の82%が、利用登録を済ませている一方、利用率は15%余にとどまっている。大阪・守口市のクリニックでは、患者の約6割を後期高齢者が占め、マイナ保険証への移行に戸惑いの声も聞かれた。クリニックでは、患者が混乱しないよう、きょう以降も有効期限が切れるまでは、健康保険証が使えることを伝えてきた。クリニック・井上美佐医師は「国がより丁寧な周知をする必要がある」と感じているという。