今年の春闘平均賃上げ率は5.4%。2年連続で5%を超える高水準。しかし、働く人の7割を占める中小企業の賃上げ率は5%を下回り、大企業との格差は依然として埋まらない(連合の集計より)。賃上げ交渉を支えるのが労働組合だが、組合への無関心が広がっている。推定組織率の推移(第一労働組合)(出典:厚生労働省)。組織率は年々下がり、去年は16.1%と過去最低を更新した。組合員が少なければ会社への影響力も弱まり賃上げ交渉も難しくなる。そんな状況を変えているのがスポーツ用品大手のアルペン。社員およそ2800人のうち2600人が組合員。加入率は9割を超えている。アルペンが3年前に導入したのはスマホやパソコンで簡単に利用できる労働組合アプリ「TUNAG」。アプリの親しみやすさから、組合員の97%が利用。組合の活動への関心も高まっている。アプリでの気軽なやり取りからこれまで関わりのなかった社員同士がつながり。新しいコミュニティーも生まれている。アプリを通じて集まった声は賃上げ交渉にも確実に反映されている。