新潟県中越地震から今月23日で20年がたった。一時住民全員が避難を余儀なくされた新潟・長岡市山古志地区では地震後に地区を離れる人が相次ぎ人口減少が進んでいる。地震で大きな被害を受けた木籠集落では中越地震の6年後に“木籠ふるさと会”が結成された。震災でふるさとを離れた住民や地震をきっかけに交流が芽生えた人たちが外からの力で集落を支える仕組み。会員は約80人で道の草刈りや神社の清掃など集落維持のための力仕事を担う。ふるさと会の運営に携っている松井智美(44)は結婚後に山古志を離れたが生まれ育った集落に通っている。2004年の新潟県中越地震では最大震度7の揺れを観測、土砂崩れで川がせき止められて木籠集落では大半の住宅が水没した。被災した住民は付近の高台に集団移転したが、住民の約半数が集落を離れた。人口減少に拍車がかかり現在は8世帯12人が暮らしている。松井は「ふるさと会も人数が減っている。高齢化で行けなくなった、亡くなったという話もある」と話す。今月20日は集落との集落を確かめ合うため、初めて同窓会を開催した。松井は「この先もっと村が小さくなっているかも知れないが、やれることをやって1日1日を、目の前の人を大事にしていきたい」と話す。