2024年3月、藤井風の世界への挑戦はNHKのオフィスの一角から始まった。アメリカの世界的人気コンテンツにその日本版の初回アーティストとして出演した。その時の反響はすごかったと藤井風は言った。5月にはロサンゼルスとニューヨークでアメリカ公演を行った。アメリカでどれだけの人に知られているのかロサンゼルスの学生に聞いてみた。6月にリパブリック・レコードと契約した。風の制作現場に今回初めてカメラを設置した。風が音楽を作っている映像が流れた。風はマイケル・ジャクソンと並び立つ覚悟だった。実は2022年から本格的にアメリカで楽曲制作をスタートさせていた。以来何度も渡米し様々な音楽プロデューサーとセッションを重ねてきた。しかし英語詞の曲はまだ一曲も完成していない。可能性は無限にあるからこそ、手探りで一歩ずつ進んでいくしかないという。
27歳のうちに3枚目のアルバムを出すのが具体的な目標だと風は宣言した。8月に帰国した風は日産スタジアムにやってきた。この夏、大規模ライブを行うことになっていた。2年ぶりのライブとあって期待は最高潮だった。藤井風のライブ映像が流れた。青春を音楽的にどう表現できるのかを探していた。9月に急遽予定を変更してロサンゼルスに戻り曲作りに取り組んでいた。今の時分に必要なものは過去の時分が持っていたパッション。わずか1週間の中で2曲のデモ音源を取るところまでこぎつけた。次の日は音楽を作らず何かを考えているように見えた。翌日、マネージャーが風をハイキングに誘った。風は具体的な目標を持っていかないとなどと話した。風は間髪入れずアジアを巡るツアーに旅立った。ライブ後は現地曲作りをしにスタジオに入った。