日本の外務大臣として1年8か月ぶりに中国北京を訪問した岩屋外務大臣。きのう王毅外相と会談し、来年の早い時期に王外相の日本訪問を実現し、関係閣僚を交えてハイレベル経済対話を開催することで一致した。また岩屋大臣は、関係閣僚による「日中ハイレベル人的文化交流対話」にも出席し、中国人の観光客向けのビザについて、富裕層の一部を対象に有効期限が10年間のビザを新設することなどを表明した。中国外務省によると、王外相は会談で日本との関係の安定化に意欲を示す一方、両国関係を発展させるための意見として、“中国の発展を客観的かつ好意的に捉えるべきだ”と述べたうえで、歴史認識や対話問題などを巡って、“日本は約束を守るべきだ”などと、日本側をけん制した。日中関係を巡っては、先月、石破総理大臣が習近平国家主席と会談していて、政府関係者は“首脳会談から間を置かずに外相会談を実施でき、いい流れの中にある”としている。一方、政府内には“中国が対話に前向きな姿勢を示しているのは、経済の減速や米国のトランプ次期政権に備えた動きだ”として、“日中関係が改善基調に転換したと評価するにはまだ早い”といった指摘もある。政府は外相の相互往来に続き、首脳の往来も実現したい考えで、今後はハイレベルでの対話を通じて、日本産水産物の早期の輸入再開をはじめとする両国間の懸案の解決につなげられるかが焦点となる。