藤井聡太六冠の1勝2敗と後がない状況で迎えた、棋王戦五番勝負第4局。互いに飛車先の歩を動かす「相掛かり」から始まり、一進一退の攻防となった。勝負所で持ち時間を費やした増田八段の攻めが藤井六冠の反撃につながり、126手目で藤井六冠が勝利した。これで2勝2敗の五分に戻したが、藤井六冠が追い込まれている状況は変わらない。藤井六冠は2017年当時14歳でのデビューから29連勝という大記録を打ち立て、初タイトルは2020年17歳の時の「棋聖」だった。そこから順調に勝利を重ね、3年後の2023年に史上初となる将棋の全8タイトル制覇を成し遂げた。ところが八冠になって1年もたたずに叡王戦で敗れ、七冠に。去年10月に王座も手放し、今年の「王将戦」「棋王戦」でも負ければタイトルを失う“カド番”に追い込まれた。日本将棋連盟の香川愛生女流棋士は「藤井棋王はほぼ毎週のように重要な対局が続いている状態で、かつタイトル戦は地方での開催がほとんど。研究はもちろん、体調的にも自分のために使える時間が減ってきてしまうのは避けられない」などと語った。また将棋ライターの松本博文氏は「最近はAI研究が進んだこともあり、さすがの藤井六冠も何の工夫をしないわけにはいかなくなった。周りのレベルが上ってきたということ」などと指摘した。藤井六冠はあさってに「王将戦 第6局」、29日には「棋王戦 第5局」と重要な対局に臨む。
