おととい東京電力の福島第一原発から処理水の海洋放出が開始された。中国は猛反発している。福島県では釣りイベントが行われた。30年に渡って放出される処理水。燃料デブリを水で冷やし続け、これは汚染水となる。地下水などが流入し、汚染水は増え続ける。浄化してトリチウム以外を除去したものが処理水となる。原発の敷地内にタンクが並ぶ。廃炉作業で新たな施設が必要となり、タンクを減らす必要がある。1日460トンの処理水を海水で薄め、トリチウムの濃度を安全基準地の40分の1未満に保ち放出するという。岸田総理は全国漁業協同組合連合会の会長らと、面会し、理解を求めた。科学的に安全だからといって風評被害がなくなるわけではないと全漁連の会長はいう。政府は風評被害の対策や漁業継続の支援を800億円計上している。内閣が変わってそのまま継続されるかわからないと福島の漁師がいう。PIASIS新橋店のマネージャーは、震災後、なにかできないかと考えた、福島の魚を提供している。観光業者からは不安の声が上がっている。まるみつ旅館はあんこう鍋を売りにしている。コロナ禍を終え、やっと先が見えてきたという旅館の社長。この旅館は去年からベトナムやシンガポールなどにアンコウの加工食品を輸出し1200万円を売り上げている。しかし、今後注文が入らない可能性があるので在庫を処分することも考えている。中国外務省の報道官は、日本側の行動はリスクを全世界に負わせ、その傷や心の痛みは人類の子孫まで続くという。中国政府は、日本産の水産品の輸入を全面的に禁止した。水産物の加工品の購入・使用を禁止とした。東京大学の阿古教授は、中国の経済は不安定な状況であり、外に対して強く出ることは、国内を結束させる上でも効果があるとみているだろうという。北京にある日本料理店では、海洋放出前から影響が出ている。中国政府は、先月上旬から日本の水産物の放射線検査を強化。先月に日本から輸入した生魚は、前年比53.2パーセント減少。影響は魚以外にも出ている。塩が売れているという。食塩の買いだめのためだ。山東省には食塩を買い求める人の行列があった。香港政府も10都県からの水産物の輸入を禁止とした。香港は中国が打ち出した外交や貿易の政策には従わざるを得ない状況だ。日本政府は中国へ、輸入禁止の措置を即時撤廃するよう申し入れている。東京電力は、売上額が減った事業者に対し、賠償に応じる姿勢だという。